岩手県宮古市。2011年3月11日の地震でたくさんの津波被害が出たこの街に、森分和基先生をお訪ねしました。
四国生まれの森分先生は、牧師4代目の元サッカー少年。
高校卒業後に19歳で入学した神学校を卒業後、初めての任地であるこの宮古市へ。初めての東北生活にもすっかり慣れ、赴任して10年目を迎えようという春に、あの東日本大震災が街を襲いました。
教会も近所一体も津波が襲い、会堂は2m浸水。波が引いたあとも、ヘドロが積もり、教会にあった聖書も讃美歌も、みんな流されてしまいました。
その時の様子を一枚一枚の写真を見ながら、丁寧に教えてくださいました。
「異常事態には、普段やっていることしかできないんだなということがわかりました」と森分先生は語ります。
ここに集まってきて祈る。そしてまた、日常の中に帰っていく。
そういう普段のことが、大切なこととして問われているのだと感じています。
教会の人にも、自分にも、「飾らない自分でいてほしい」ということを願っています。
できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。(ローマ12:18)
「できれば、せめてあなたがたは」
この言葉がすごく心に刺さるんです。
震災後、被災した地域の人達とボランティア、津波被害にあった人とそうでない人など、
様々な形で人の感情がすれ違う場面に出会わされてきました。
お互いに悪気なんてない。
でも、そういうことは、本当はいつも日常生活の中にあるのだと思う。
人間関係の中で、感情のすれ違いが起こるときに、あきらめちゃいけないなって思います。
震災後、多くの祈りや献金、そして、ボランティアの方々による働きが、今日まで続けられています。そのことに、心から感謝していますとおっしゃっていました。
***教会のご案内***
日本基督教団宮古教会
住所:岩手県宮古市大通1丁目4-5
電話:0193-62-2373