• 今あるはただ神の恵み

次の取材は、佐賀市のちょっと郊外にある、日本バプテスト連盟佐賀キリスト教会です。

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こちらの教会は1947年、初代の加来国生牧師によって伝道が開始された教会。加来牧師の情熱的な伝道によって、非常に活気がある教会だったとのことで、当時は450人の会員を数えたとのことです。

現在の牧師は、余 信鎬(ヨ シノ)先生。

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余先生曰く、日本中の教会が経験している世代交代の課題の中に、こちらの教会もあるとのことでした。信仰の遺産をどう受け継ぐか、本当に今の私達がいつも問われていることですよね。

教会創立68年目の時、お餅を作って近所の方にもお配りした時のこと。「教会が68年目になりましたので、感謝を込めてお餅を持ってまいりました」と配布したところが、「え、近所に教会ってあったっけ?」という反応が少なくなかったことに、余先生は大変ショックを受け、自分たちが内向きになっていたことを痛感させられたとのことです。
それ以来、改めてチラシ配りから考えなおし、「確かに非効率かもしれない。けれども、5000枚配って一人来たら大成功だし、これを通して信仰が鍛えられ、地域のことが分かるようになる」と仰っておられました。

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余先生ご自身は、韓国・ソウル生まれ。幼い頃は、人以上に教会に熱心で、「次代の牧師」と言われていたそうな。
ただ、青年期には「牧師になるだけがクリスチャンじゃない、学者として神様に仕えよう」と、学者の道を進まれます。余先生のご家庭は、お母様はクリスチャン、そしてお父様は町の儒学者!その影響もあって、特に日本の江戸時代の思想史を研究する研究者として歩みを続け、40歳の時に来日されました。

ただ、大学教授への道は、韓国も日本も、誠に狭い門。なかなかポストが与えられない日々を過ごしている間に、こういう誘いが度々来るようになったのだそうです。

「牧師になったらどうか。」

実は、余先生の奥様のお父様は牧師。以前からも、教会の長老から「神が首を長くして待っているのに、何をしているのだ」と言われたこともあったそう。けれども、余先生は「もし本当に神が私を必要とするなら、人を通してではなく、直接私に言えばいいじゃないか」と心の中で常に言っていたそうです。

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とはいえ、そのような思いを抱えながらも、将来的なことを考えて神学校へ行くことを考えてみようと、当時住んでおられた福岡にある西南学院大学の神学部長へ相談メールを送ったのだそうです。そして、指定された日時に相談に伺ったところ、思いがけない事務的な対応にがっかり。
それ以上に、「神様、あなたが私を必要だと思ったから、せっかく行ってあげたのに!」と祈りの中で愚痴をぶちまけてしまう先生。更には、「神様、あなたが本当に私を必要とするなら、私にはっきりと分かるように3回以上しるしを見せて下さい!」と祈ったのだそうです。

すると、翌朝、身体の左半身が動かず、頚椎ヘルニアの悪化との診断があり、韓国で翌日手術。
2ヶ月後、トイレの中で激しい恐怖感に襲われて気絶する発作が出てしまい、ボールペン一つ握れる力が無くなってしまう症状が1-2ヶ月続き、更には、急性メニエール病で天地がひっくり返る程の激しいめまいが1週間続いたのだそうです。

「これ以上拒んだら死ぬかもしれない!」

そう直感した先生は、釜山の長老派神学校へ進み、牧師としての資格を得ます。ただ、卒業してからが大変でした。これまでの日本での経験から、韓国教会からの派遣牧師としてでは、日本での定着が非常に難しい現実を何度となく見てきた余先生。
むしろ、余先生の願いは、「日本の教会の手足」として仕えることでした。

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そう祈りつつ、福岡県の社会人向け講座で日韓関係史を教える日々。その中で、ふとアブラハムの話をした時、受講者にクリスチャンのご婦人がおられ、その方にご事情を話してみると、「一度、私の教会に来てみたら?」とのこと。そうして行ってみた教会の協力牧師が、何と西南学院大学の当時の神学部長だったそうなのです。

その先生から、「日本の教会に仕える気があるなら、もう一度日本の神学校へ入りなさい」と語られ、即答で西南学院大学へ進学された余先生。ただ、西南学院大学を卒業される時にも、任地がなかなか決まらずに、「また、神様のいたずらか?」と不平不満の祈りをしていた時に、佐賀教会から電話が来、今に至るとのことです。

余先生の書斎には、日本最初の朝鮮宣教師、乗松雅休牧師の写真が飾られています。

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乗松牧師は、当時の日韓関係の中にあって、「朝鮮人になりたい」と、全てを捧げて伝道された伝道者。

「私も、彼のようになりたいんです。」

そう語る余先生は、「神様のところに行くまで、私がもっている全てを出しきって、『私はあなたのために頑張りましたよ』と報告出来るようにしたい」と仰っておられます。

教会の伝統、そして一人の伝道者の熱い思い。
それを与えておられる、主イエスの導きに改めて心打たれた取材でした。

取材日:2016年4月9日
※最新の情報に関しては、教会に直接お問い合わせください。

日本バプテスト連盟佐賀キリスト教会
住所:佐賀県佐賀市水ヶ江4丁目2−18
交通案内:バス停「水ヶ江」下車、徒歩1分
電話:0952-23-2513
牧師:余 信鎬(ヨ シノ)
HP:http://www.bunbun.ne.jp/~s-bap/
集会案内
・主日礼拝 毎日曜日 午前10:40〜
・主日夕礼拝 毎日曜日 午後7:30〜
・教会学校 毎日曜日 午前10:00〜
・早天祈祷会 毎日 午前6:30〜
・韓国語講座 毎月曜日 午後1:00〜
・聖書の勉強会 毎水曜日 午前10:30〜
・祈祷会 毎水曜日 午後7:30〜