• 今あるはただ神の恵み

次に目指した教会はカトリック帯広教会。

教会をお訪ねすると、すぐに主任司祭の鈴木央(ひろし)神父様がにこやかに迎えてくださいました。鈴木神父様は札幌生まれ、旭川育ちの生粋の道産子。何しろ冬でも半袖の方が良いくらいという暑がりだそうで、道外では生きていけないというのですから筋金入りなのかも知れません。といっても、北海道の冬は屋内や電車やバスの車内はどこも暖房をガンガンに効かせまくるので、暑がりの方なら冬でも暑いというのは、さもありなんといったところでしょう。

高校卒業後、当時学園紛争で授業が困難だった上智大学ではなく、名古屋の南山大学で神学を学びながら神様にお仕えすべく修練の道へ。その後フランシスコ会の聖アントニオ神学院を卒業し、郷里である北海道に遣わされたとのこと。高校の時の司祭への道を志すきっかけをお尋ねしたところ、高校のクラスメートが、なんと当時あった遊郭遊びをしていたのを知ったことだそうです。しかも、鈴木神父様はキリスト者だから誘われなかったというのですから、思春期特有の過敏さもあったのでしょう。非常なショックを受けたことだというから、そういう契機もあるのだと驚きました。目標を見失い、勉強も手がつかなくなって今度は苦手だった数学で赤点を取り、ますます未来に展望が見いだせなくなってしまった鈴木神父様は、それまであった神父だけにはなりたくないとの思いを神によって砕かれ、何もできない自分を神に捧げる道を決心したとのことです。
ただ、やはりその道は険しく、大学の同期で神父として働き続けたのは結局は自分だけであったとも。何が続ける要になったのですかという私の問いに、神父様は「それは神の召し、つまり自分への呼びかけをずっと聞き続けることができたから。それ以外にはありません」と。
そんな鈴木神父様が司祭として教会で大切にされていることは、フランシスコ会の一員として、また現在の教皇の姿勢に合わせて、主イエスの視点である貧しい人、苦しんでいる人の連帯だとも。実際アルコール依存症や薬物依存症で苦しむ方々の互助団体と関わっておられるとも語ってくださいました。


1930年創立の帯広教会は、フランシスコ会のイタリア人宣教師の働きによって生み出されてきた教会。2年ほど前までおられたイタリア人の神父様が買い込んでいた賞味期限切れのパスタなどのイタリア食材が、つい最近食料庫で大量に見つかったと鈴木神父様は笑いながらお話くださったエピソードにさえも、海外の宣教師が遥か遠いこの日本でキリスト信仰を伝えてきた教会の歴史に息づく信仰者の歩みの確かさを感じました。

取材日:2016年6月3日
※最新の情報に関しては、教会に直接お問い合わせください。

カトリック帯広教会
住所:北海道帯広市東四南14-1(駐車場あり)
交通情報:JR帯広駅より徒歩15分
電話:0155-23-4691
司祭:鈴木央(ひろし)
集会案内
・ミサ 毎日曜日 午前10:00〜、毎金曜日 午後6:30〜
・英語ミサ 第3日曜日 午後3:00〜(主に在住のフィリピンや南米ご出身の方や留学生が来られます)
・聖書研究クラス 毎木曜日 午前10:30〜
※この他、年1回付属幼稚園との合同でバザーも。詳しい日程は教会まで。