• 今あるはただ神の恵み

2016年初夏の北海道取材の最後に、ご紹介する教会は十勝・帯広にある日本メノナイト帯広キリスト教会です。

お伺いしたのは日曜日。場所は、JR帯広駅南口より公園大通を緑が丘公園に向かって歩いて15分ほどの距離にあります。主日礼拝に与らせていただき、お昼を教会の皆さんとご一緒にいただいてから、午後牧師の伽賀由(かが ゆかり)先生にお話を伺いました。

メノ・シモンズ

まずは、メノナイト教会は、16世紀のアナバプテスト(再洗礼派)にルーツを持つオラ ンダのメノ・シモンズという指導者がいた教会です。宗教改革者ツヴィングリ派の成人洗礼の運動に影響を受け、バプテスト派などと同様に伝統的な教会の信仰とは異なることから迫害のゆえにアメリカ大陸などに移住していった歴史を持っています。
プロテスタント教会の中でも特に非暴力・平和主義を生活の中で実践し、それに従って生きることを重んじている教会として知られています。
1951年から北海道でも開拓伝道が行われ、特に道東の帯広から釧路までの地域で多くの教会が生まれました。こちらの教会もその一つになります。

教会の平和への取り組みを記す掲示
北海道のメノナイト教会の会報

牧師をしておられる伽賀由(かが ゆかり)先生は、小樽生まれ札幌育ちの道産子。お名前の由は日蓮宗の信仰を持たれていた父親が名付けたそうで、キリスト教との出会いは進学した大学がミッションスクールだったからとのこと。しかし、話はそう単純ではありませんでした。実はご両親、特に父親に思春期からわだかまりを持っておられた伽賀先生。そんな中外国人指紋押捺問題で押捺拒否をしたある神父の言葉が先生の心を捕えます。これは人間の問題、実は日本の人々の問題であるとの言葉が。そこに自分にない何か<真実>を持っていることを感じて北星学園大学に進学されることにしたそうです。スゴイ…

仏教の家庭なので、ご本人もご家族もあくまで勉強のための大学進学と言い聞かせるように入学。その後ゼミの指導教官がメノナイトの方で、専攻していた米文学の学びの中で、聖書を学ぶことに。「一生に一度くらい聖書を読んでもばちは当たらない」そんな思いだったそうです。しかし、み言葉によって先生は捕らわれることになります。神との和解を説く聖書の言葉に衝撃を受け、感動したと指導教官の先生にその場で打ち明けるほどに。ご両親とのわだかまりを抱え、一時期は死を考えるほど苦しまれていた伽賀先生にとって神との和解によって人との和解もたらす十字架の言葉は決定的な意味を持っていたとお話しくださいました。それから、ご両親に黙って教会へ通われるようになったそうです。

卒業後は最北端の町稚内で高校の英語教員として歩み始める中で、学生が抱える様々な問題に触れ、キリスト者として生きる決心へ。札幌のご両親へ勘当覚悟の受洗の決意を手紙で伝えたそうです。反対するかと思っていた父親も、先生の決死の思いを感じたのか受洗を認めてくれたそうで、洗礼式に参加された際に、涙ぐみながら娘を教会に嫁に出す思いだと話されたのが今でも忘れられないと。

その後、牧会カウンセリングを学ぶためにカナダへ留学し、そこで自分の無力さを知って、さらに米国のメノナイトの神学校へ進まれたそうです。ただ、その時はまだ牧師になるという思いはなかったとのこと。しかし、米国でのカウンセリングの学びをする中で、先生が聞いたのは「荒れ野で叫ぶ声」である洗礼者ヨハネの声。その後主イエスを伝えることへの思いはさらに深められていきます。
帰国後は教員をしながら、教会での奉仕を続け、キリストを伝える道を模索する中で、日本で牧会するためにもう一度日本の神学校へ行くべきとの勧めもあって、東京聖書学院へ。卒業後、ここ十勝・帯広へ来られました。
現在でもここ帯広の教会の他、近郊の幾つかの教会でもご奉仕をされているとのことで、広大な大地を、和解の使信である福音を日々携え駆け回る伽賀先生のお姿が目に浮かぶ取材となりました。

日本メノナイトキリスト教会協議会日本メノナイト帯広キリスト教会
住所:北海道帯広市西七条南17-1-3
交通情報:JR帯広駅南口から徒歩15分
電話:0155-24-3282
牧師:伽賀由(かが ゆかり)
集会案内
・主日礼拝 毎日曜日 午前10:30~
・コイノニア(聖書の学びの時) 第1,2,4金曜日 午前10:40~
※この他、8/15,2/11には超教派の平和集会「十勝キリスト者平和の会」や、年3回程度三浦綾子さんの著書の朗読会も。詳しい日程は教会まで。