• 今あるはただ神の恵み

札幌での取材の最初は、こちらの日本キリスト教会札幌豊平教会です。

 

教会の入り口にはこんな看板が。

「朝ごは〜んんん!」???
実はこちらの教会は、近頃メディアで聞くようになった「子ども食堂」を実施している教会なんです。
そのことも含めて、こちらの稲生義裕先生にお話を伺いました。

この取り組みが始められたのは、2016年6月から。
子どもだけではなく、お年寄りを含めた他世代の居場所づくりの講演会をこの教会で行った翌日から、この働きを開始されたのだそう。

ただ、この「子ども食堂」が始まったのは、その講演会だけではなくて、こちらの教会の長い歴史に基づくものでした。
話は、111年前にさかのぼります。
現在の教会の近くにある豊平橋の一帯は、その昔、「東日本最大」と言われるほどの極貧スラム地帯。そこに暮らす人たちの救貧活動の一つとして、北星学園のスミス宣教師が日曜学校を開いたことから、この教会の歴史は始まります。
ですから、稲生先生も仰っていましたが、「この教会の歴史からして、社会の問題や貧困の問題に目をつぶることはしない」という背景があってのことなのだそうです。
そしてまた、そういう地域的背景から、この豊平地区は、民間社会福祉の原点のような場所でもあるのだと、先生は教えてくださいました。

稲生先生ご自身は、神学生時代から、いわゆるハンセン病の施設で一年に何十日も生活するような歩みを続けてこられたそう。
そして、牧師として着任されたところは、その療養施設内の伝道所。そこを一つの「教会」としてもう一度立て上げるために、それはそれはご苦労なさった先生。人ではなく、ただ神を仰ぎ礼拝する教会を建て上げることのために苦心されましたが、結果として大変難しい決断を迫られ、その教会を離れる決断をされます。
そして、いくつかの教会を経て、今この豊平の地で、ご自身の問題意識と共にキリストの教会とは何かを問い続けておられます。

そもそも、先生が洗礼を受けられたのは、高校生の頃の「生きる意味」の探求から。
そしてそれが、療養所の方々の生活をつぶさに知ることと重なり、先生ご自身のこの世の中への鋭いまなざしにつながっていったのですね。

「療養所の彼らには、『世界の読み方』を教わったと、とても感謝しています」

現在は、こちらの教会ならではの取り組みを続けておられる稲生先生。
その鋭い眼差しの奥に、「人間」を見つめる暖かさを感じたのは、きっと私の錯覚ではないと思います。

取材日:2016年9月12日
※最新の情報に関しては、教会に直接お問い合わせください。

日本キリスト教会札幌豊平教会
住所:北海道札幌市豊平区豊平6条3丁目5-15
電話:011-811-6838
牧師:稲生義裕
教会HP:https://www.ccjtoyohira.com/
集会案内
・主日礼拝 毎日曜日 午前10:10〜11:20
・祈り会 毎水曜日 午前10:30~11:30、午後6:30〜7:30
※他にも金曜カフェ、土曜天使食堂などがあります。